
ユーザーとしてMST STUDIOを愛してやまない、そして事業オーナーでもある私が綴る、MST STUDIO MOUTHPIECESの徹底レビュー。
今回取り上げるのは、MSE N。
普段のメイン使用は M N ですが、よりジャジーで味わい深い音色が欲しい場面では、MSE Nを使うことが多いです。



- M Nをベースに軽量化した、Special Edition
- M Nよりもさらに高レスポンス
- 柔らかく優しい、ダーク&ウォームな音色
- 細管用モデルの中でもっともジャズ寄り
- アンディ・マーチンのような音色が好きな方にうってつけ
- 吹きやすさとジャズらしい味わいを両立したモデル
- MSE N 仕様
- 特徴
- 備考
- 製造について
- James R New
M Nをベースに軽量化した、Special Edition
MSE Nの SE は、Special Edition の意味です。
このモデルは、M Nをベースにしながら、外形をより伝統的なスタイルに寄せ、わずかに軽量化したモデルになります。
リム内径やリム形状はM Nと同一で、吹奏感の基本的な安心感や口当たりの良さはそのままです。
そのうえで、レスポンスや音色の出方に、M Nとはまた違った個性が与えられています。
言うなれば、M Nのフィーリングを受け継ぎながら、よりジャズに寄せた表情を持たせたモデルだと感じています。
M Nよりもさらに高レスポンス
MSE Nを吹いてまず感じるのは、M Nよりもさらに反応が速いことです。
息を入れた瞬間の返りが非常に軽やかで、音の出だしに無理がありません。
ただし、その立ち上がり方はM Nのように輪郭が強く前へ飛び出す感じというより、少し丸みを帯びた自然な立ち上がりです。
反応自体は非常に速いのに、耳に当たる印象はやわらかい。このバランスがMSE Nの大きな魅力だと思います。
吹いていて非常に気持ちよく、フレーズの入り方にも独特のしなやかさがあります。
柔らかく優しい、ダーク&ウォームな音色
MSE Nの音色は、M Nと比べるとより柔らかく、優しめです。
サウンド全体に丸みがあり、いわゆる ダーク&ウォーム な方向性を持っています。
派手に前へ飛ばすタイプというよりは、豊かな倍音を含みながら、落ち着きのある音色で自然に鳴ってくれる印象です。
そのため、ただ暗いだけではなく、味わい深く、非常にジャジーな音色になります。
この“味”のあるサウンドが、MSE Nならではの魅力です。
明るくシャープな方向とは違う、深みのある音楽的な色気を感じさせてくれます。
細管用モデルの中でもっともジャズ寄り
私の感覚では、細管用の5モデルの中で、最もジャズ寄りなのがこのMSE Nです。
K NY Nはスピード感と機動力が強く、M Nは密度とパワー感を備えたオールラウンダー。
それに対してMSE Nは、より音色のニュアンスや質感の心地よさに重心があるモデルだと感じています。
特にジャズコンボのような編成では、このマウスピースの魅力が非常によく出ます。
無理に押し出さなくても、自然にジャジーな音色になってくれるので、とても気持ちよく吹ける一本です。
アンディ・マーチンのような音色が好きな方にうってつけ
ショップ説明にもある通り、MSE Nは Kanstul CL45(Andy Martinモデル)をベースに開発されたモデルです。
実際に吹いてみても、その系譜を感じさせる、味わい深く魅力的な音色を持っています。
アンディ・マーチンのような、芯はありながらもどこか柔らかく、歌うように流れるジャジーな音色。
そうしたサウンドやプレイスタイルに魅力を感じる方にとって、MSE Nはうってつけの一本と言えるでしょう。
ただ単に似たスペックというだけではなく、実際の吹奏感や音の表情に、その方向性がしっかり現れているモデルだと思います。
吹きやすさとジャズらしい味わいを両立したモデル
MSE Nは、快適な口当たり、自然なレスポンス、そしてダークでふくよかな音色を高いレベルで両立したモデルです。
しかも、ジャズ寄りの音色を持ちながら、扱いにくさはありません。
吹きやすさや反応の良さはしっかり確保されていて、演奏者に余計な負担をかけないまま、音色に深みを与えてくれます。
その意味でMSE Nは、単なる派生モデルではなく、M Nとはまた別の完成度を持った、非常に魅力的なSpecial Editionだと思います。
MSE N 仕様
• リム内径:24.6mm
• リム外径:39.0mm
• スロート径:5.9mm
• 重さ:194g
• Small Shank
特徴
• 細管〜中細管テナーに最適
• とても快適な口当たり
• M Nと同一のリム径・形状
• 伝統的な外形で、わずかに軽量化
• ダークでふくよかなサウンドと、吹きやすさ・レスポンスを両立
備考
• Kanstul CL45(Andy Martinモデル)をベースに開発
• M Nのフィーリングを保ちつつ、より素早いレスポンス
製造について
MST STUDIO MOUTHPIECESの製造は、アメリカ・ユタ州ハリケーンの工房にて、James R New が一貫して担当しています。
設計思想を深く理解したうえで、精度・再現性・音響特性に責任を持って製作されています。
James R New
James R Newは、Kanstul創業初期から製造現場を支え、工場長として生産の中核を担った職人です。
Kanstul在籍時代には、ロサンゼルスのスタジオプレーヤーの要望に応えるカスタムマウスピースを多数製作してきました。
トロンボーンではアンディ・マーチン、チャーリー・ローパー、アラン・カプラン、バストロンボーンではジョージ・ロバーツ、ビル・ライケンバック、フィル・ティールといったプレーヤーの現場ニーズに沿った仕事で知られています。
ジャズ/ポップスからクラシックのオーケストラ作品まで、あらゆるジャンルと編成への即応が求められるロサンゼルスのスタジオ現場は、要求水準が極めて高い世界です。
その最前線で培われた 「反応」「音色」「コントロール」 の総合最適化こそが、Jamesの設計思想と製作精度の土台になっています。
MST STUDIO MOUTHPIECESは、その思想を現在形で具現化したプロダクトであり、過不足のない完成度と再現性を重視したラインとして位置づけられます。
2019年のKanstul廃業後、Jamesは独立し、Kanstul時代の設計・製造データを継承して製作を継続。
伝統的な精密さと、現場起点の実用性を両立させたマウスピースとして、録音・ライブの双方で信頼できる品質を提示し続けています。
MST STUDIO MOUTHPIECES試奏会を開催します。
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